ものを買う、借りる、といったときに出てくるのがお金。
一般的な賃貸では、部屋をかりるだけで数十万の費用がかかります。
今回は、初めてお部屋探しをする方はもちろん、初期費用の抑え方を知りたい方にも参考になる記事になります。
記事の構成
初期費用の一覧、内訳を解説しつつ、初期費用を抑えるコツを紹介していきます。
5分くらいで読み終わる構成になってますので、お部屋探しをする前はぜひ一読頂ければ幸いです。
ではさっそく見ていきましょう。
初期費用はいくらくらいかかる?
結論:月額賃料の4か月~6か月前後です。
入居時期やキャンペーンなどの条件で多少前後しますが、平均はこのくらいの金額がかかってきます。
はじめて知った方は結構驚かれる金額ではないでしょうか?
ぼくも最初聞いたときは一人暮らしを断念しました、笑

いくらなんでもそれはかかりすぎでしょ!
いったいなににそんなお金がかかるのか教えて!
初期費用にかかるものにはおおきく分けて2種類あります。
①は、キャンペーンや入居時期で払う必要がない場合があります。
また、まれに交渉で払わなくていい場合がありますが、レアケースなので、基本的には払わなければならないものと思っておいてください。
やっかいなのが②です。お目当ての物件を紹介する不動産会社によって追加する項目が違ってくる場合があります。
詳細は後述しますが、性質の悪い業者や営業マンですと無断で請求書に記載したり、ひどい場合は任意な項目にもかかわらず、平然と「必須です」という者もいます。
これは決してレアケースでなく、特に初めて部屋探しをする方を狙ってきますのでお気をつけください。
それでは、初期費用の内訳を見ていきましょう。
基本的に発生する費用
①敷金 | 賃料1か月~2か月分 |
②礼金 | 賃料 1か月~2か月分 |
③前家賃 | 賃料 1か月分+日割り |
④ 仲介手数料 | 賃料 1か月分+税 |
⑤火災保険料 | 1万円前後/年 |
⑥保証会社保証料 | 総家賃の20%から60%前後 |
ざっくりですが上記の内訳になります。
また、基本的に発生するというのは、キャンペーンだったり、物件によってかからない場合があるからです。
詳細を解説していきます。
①敷金
不動産会社によっては「保証金」や「クリーニング代」と記載される場合があります。
ざっくり言ってしまえば、退去時にかかる費用を預けておくものです。
敷金は余れば返金され、クリーニング代や保証金は返金されないことが多いですが、これも不動産会社によって異なる場合がありますので、営業マンに確認してもらったほうがいいでしょう。
②礼金
文字通りお礼のお金です。
戦後の東京で住む場所がなかった人たちが、住ませてくれた大家さんに対してお礼をしたのがはじまりとの一説があります。
そのため、関西地方だと礼金の概念がなく初期費用には含まれないことが多いです。
そういった事情もあり、近年だと礼金がない物件がないお部屋が増えてきています。
補足:不動産業界の事情のお話になってしますのですが・・・。
不動産業者は、1件部屋を紹介したら、お客様からの仲介手数料とは別に、大家さんからも謝礼をもらうことがあります。(ADや広告料ともいわれ、賃料1か月分や2か月分がほとんどです。)
礼金がないお部屋でも広告料が出る場合もありますが、不動産業者の中には、
「礼金1か月のっけるので、AD(広告料)1か月分増やしてください」と要求するところもあります。
本来、大家さんに払うものを自分たちがもらおうということです。
そういった場合は、お客様は「仲介手数料+礼金」を不動産会社に払うことになります。
初期費用請求時の礼金の額が、募集時と異なるようであればつっこめますが、同じ額だった場
合お客様からみて判断するのは非常に困難です。
法規制がない以上、こればっかりは信頼関係で判断するしかないのが現状です。
③前家賃
契約起算日(入居日)からの家賃を契約締結後に前払いします。
たとえば、入居が10月1日で、9月中に初期費用を払う場合は10月の1か月分を前家賃として支払います。
11月分に関しては入居してから10月末に支払うことになります。
では、月の途中で入居の場合はどうなるのでしょうか?
多くの場合は月の途中の月分の日割りと、次の月の分を支払うことになります。
10月15日入居の場合、10月の半月分と11月分といった具合です。
もちろん、これらはあくまで一例なので、月初や月末だったり、不動産会社の事情で多少なりとも計算方法が違ってきます。
もし初期費用を抑えたい場合は柔軟に対応してくれる場合がありますので、相談してみることをおすすめします。
④仲介手数料
基本的には賃料1か月分+消費税かかります。
それ以上は宅建業法違反になりますのでかかりません。
⑤火災保険料
更新が1年のものと2年のものがあります。
金額は1年あたり1~2万円。
世帯数、間取りによって変動します。
ネットの保険のほうが安くても、不動産業者指定の保険に入らなければいけない場合があります。
また、不動産会社の指定でなくネットの保険が良くても、保証の条件を満たしてないと許可されない場合が多いです。
そういった手続きなどを含めて苦じゃない方は入居時に一度不動産会社に相談することをお勧めします。
⑥保証会社保証料
連帯保証人って聞いたことありますか?
入居者の家賃の支払いが困難になり、大家さんに支払われなかった場合に代わりに支払う人のことです。
家族、主に親や兄弟が対象になるケースが多かったのですが、保証人として機能することが難しいケースが多くなってきました。
その中で増えてきたのが保証会社です。
保証会社が連帯保証人の代わりとなり、入居者が滞納した場合にオーナー側へ家賃を支払います。
ただ、オーナーの債権が保証会社に移っただけなので、入居者はいずれ滞納した分を保証会社に支払わなければなりません。
すぐに支払えばまだしも、放置したままだと裁判、最悪の場合財産差し押さえなんてことも・・・。
一時期、やくざまがいの取り立てをする保証会社もありましたが、今はほとんどないみたいです。
まあ、しっかり家賃を払ってる人にとっては無縁な話なのですが・・・。
保証会社に払う金額は、人によって違います。
過去に滞納歴があったり、年齢や職歴などさまざまな要因で判断されます。
ただ、細かい部分は保証会社も教えてくれないので、
「保証料については人によって違うけど、大体総家賃の20%~60%くらい」と覚えておいて頂ければと思います。
その他にかかる費用
ここでは、最低限かかる費用に加えて発生することがあるサービスについて解説していきます。
管理会社によって名目やサービス内容が異なることがありますのでその点ご了承下さい。
①鍵交換代
マンションやアパートに備え付けられている鍵には種類があります。
カードキー、シリンダー、デジタロックなど・・・。
この代金を払う目的は、前の入居者が使っていた番号や鍵を変更する必要があるからです。
変更せずに入居して、万一、前の入居者がスペアキーを作っていたら入られてしまいますからね・・・。
大体の物件がこの「鍵交換代」がついてきます。
ただ、中には除外できることもまれにあります。
おもな理由としては2つあります。
①鍵交換をせず、万一のことがあった場合に貸主や不動産会社は一切の責任を取らないことを契約者が了承した場合。
②備えつけの鍵を自費で交換する場合。
①は契約書の特約等で追記されることがあります。
②に関しては、自分で交換できるスキルと部品があれば多少なりとも費用を抑えられますが、入居後の鍵のトラブルは自己責任になります。
いずれにしろ、自己責任なんですね・・・。
②消臭、抗菌費用
お部屋の臭いを消したり、かびが出にくくくしたり。
不動産会社によって扱う商品も違いますが、大体このような説明になると思います。
一時期、某賃貸仲介店でスプレー缶を給湯室に充満させて爆発した事件がありました。
当時は、入居が決まってる部屋にスプレーの施工をしてないことと、金額が「ぼったくり」レベルということが問題になりました。
まあ、16,000円が相場ですから、わからなくもないです(^^;)
ファブなんとかなど、市販の商品を買えば千円もしないですからね。
よっぽど商品にこだわりがない限りは払わなくて大丈夫です。
不動産会社側で「必須」といわれたら仕方ないですが、必須ではないのにもかかわらず、
無断で請求してくる場合もありますから注意が必要です。
③室内消火剤
ざっくりいうと「家庭用小型消火器」です。
多いものだと「SAT119」というものがあります。
キッチンでボヤがあったときに、袋から取り出して投げ入れるだけで消火できる優れものです。
こちらの動画で解説されてます。
まあ効果はすごいんですが・・・。
料理でこんな燃えないでしょ・・・。
必要なら通販で自分で買えばいいと思います。
④消毒代
消臭・抗菌施工代と結構間違えやすいのが「消毒代」です。
どちらも請求してくる業者もあります。
確認しない方だと、不動産業者に言われるがままに全額払ってしまいます。
しっかりと確認していきましょう。
消毒は虫(ゴキブリやムカデなど)が来ないようにするためにする施工です。
「入居後の一定期間内に虫が発生した場合は再施工します!」と全面に押し出し施工を進めてくる営業マンがいます。
この施工も大体15,000円はしますので、そんなにドヤられてもって感じです。
もし虫が苦手な方はご自身で市販のものを購入して使えば大丈夫です。
⑤24時間サポート
不動産業者によって扱っていサービスが違いますので、名前は異なりますが、内容は「入居していて何かあった場合いつでもつながるコールセンター」になります。
注意点としては、
「いつでもつながるからといってなんでもすぐに対応してくれるわけではない」
ということです。
入居してると、さまざまなトラブルがあります。
・洗面台から水漏れがする。
・エアコンが止まって動かない。
・窓ガラスが風で割れてしまった。
・部屋のドアが開かない。
トラブルの内容や時間帯によって、対応が後日になる場合があります。
修理業者が休みだったり、部品がなかったりなど・・・。
24時間サポートは、「入居してる限り必須」な場合があれば、「一定期間の加入は必須で、更新後は任意」な場合もあります。
こちらも、支払いの前は必ず必須かの確認が必要です。
任意の場合は、特に必要でなければ入らないのも選択肢としてありです。
初期費用を抑える方法はある?
これまでは、初期費用にかかる内訳をご紹介させて頂きました。
各項目、特に付帯に関しては1点ずつ任意かどうか確認した上で、自分にとって必要でない場合に外してもらうのが節約するコツです。
しかし、それでも最低限はかかってしまう費用があります。
ここからは、付帯を中心とした初期費用以外にどうすればさらに初期費用を抑えられるか解説していきたいと思います。
フリーレントをつけてもらう。
「フリーレント=家賃無料」です。
フリーレントがついた場合、多くは1か月分ですが、気前の良い大家さんだと1か月半や2か月分になることがあります。
入居時期や大家さんの気分・・・によってつくかどうか変わってきますが、営業マンに頼んでみる価値は十分あります。
仲介手数料割引
ここは、基本的には不動産仲介業者の裁量になります。
(ごくまれに仲介手数料を負担してくれる大家さんがいますが本当にまれです。)
仲介手数料を割り引いてくれる主な理由としては、
①営業マンの売り上げが厳しく、早めに契約したい場合
②大家さんからの広告料が多い場合
③お客として営業マンに気に入られた場合
などがあります。
重要なのは③です。
営業マンも人間なので、横柄だったり、わがままなお客さんに対しては①と②を満たしていたとしても動きません。
逆に、気に入られてる場合ですと、こちらから言わなくても動いてくれます。
人間関係あっての交渉ということですね。
礼金ゼロの物件
初期の段階で希望を伝えておくと良いです。
デメリットとしては、礼金がある物件が除外されることで、自分の希望が外れててしまうリスクがありますので、よっぽど礼金ゼロの優先順位が高くないかぎりはおススメしません。
それなら、エリアや間取りから絞っていった方が得策です。
交渉するタイミング
これが結構重要。
例えば、不動産会社に問い合わせて、来店してからすぐに
「割引してくれますよね!!」
なんていうのは間違ってます。
「いきなりなんなんだ・・・」
なんてことになりかねません。
それでは、どのタイミングで切り出すのがいいのでしょうか?
それは、「申込書を書いてから」です。
不動産会社も、申し込みをしないお客様に対しては中々腰をあげません。
営業マンが動いたところで、大家さんが動きにくいからです。
申し込みをしない状態で、大家さんに交渉し、成功したとして、もしそれで申込書を書かないなんてことになれば大家さんに顔向けできませんから・・・・
ですので、申込書を書いてから交渉を頼みましょう。
ただし、申し込みの時点で最低でも80%以上決まりの場合です。
法的には、申し込みをした後の交渉で条件が合わず、キャンセルしたとしても問題ないです。
しかし、お互いバツが悪いですし、もし次にまた決めたとしても交渉しずらくなります。
それを前提で申し込みと交渉をしましょう。
まとめ
ここまで、初期費用の内訳と抑える方法を解説してきました。
初期費用はあくまで部屋を契約する際にかかるもので、さらに引っ越し代や家具・家電の費用が掛かってきます。
また、初期費用を抑える方法も解説させて頂きましたが、結局は担当の営業マンとの信頼関係になります。
普通の営業マンだったら信頼関係ができてるお客様に対しては全力で頑張るはずです。
少しでも条件にあった物件を探しますし、僕の場合は会社の利益よりもお客様の希望を優先していました。
信頼関係あってこその部屋探しという面があると覚えておいて頂ければ幸いです。
最後に、もし不動産のことでお困りなことがありましたらお気軽にご連絡下さいませ。
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